継承の真実 親の借金は背負うべきなのかあなたの選択とは
- 経営実行支援 柴田義治
- 4月27日
- 読了時間: 3分
会社を継ぐことは、単に事業を引き継ぐだけでなく、親が背負ってきた借金や連帯保証の問題もついて回ります。多くの後継者が「会社は継ぎたいけれど、親の借金まで自分が背負わなければならないのか」と悩んでいます。これは二代目、三代目だけでなく、義理の息子や親族、役員承継でもよくある相談です。
今回は、そんな後継者の悩みに寄り添いながら、借金の連帯保証をどう考えるべきか、銀行との付き合い方や社内の事情も踏まえて解説します。

会社を継ぐことは親の借金を背負うことなのか
ある後継者の相談では、会社の借入総額が約3億円にのぼり、既存事業は苦しい状況でした。後継者は新規事業を伸ばしたいと考えていますが、銀行からは「会社を継ぐなら連帯保証も引き継いでほしい」と言われています。
このようなケースは珍しくありません。特に債務超過に近い会社ほど、銀行は連帯保証を求める傾向があります。だからといって、感情的に「保証は嫌だ」と拒否するのは得策ではありません。
大切なのは、感情で決めないことと銀行と喧嘩をしないことです。
銀行は敵ではないが言いなりになる必要もない
銀行は決して敵ではありません。保証を断ることは銀行に逆らうことではなく、むしろ正しい交渉の一部です。
一方で、「金融庁がこう言っているから保証は不要だ」と理屈だけで押し切ろうとするのも危険です。銀行にも社内で説明責任があり、特に債務超過に近い会社では追加融資が難しいため、連帯保証を求めることがあります。
銀行の立場や事情を理解せずに交渉を進めると、関係が壊れてしまい、結果的に誰の得にもなりません。
理屈と信頼関係の両方を築くことが大事
連帯保証を外したいなら、感情論ではなく理論を持って話すことが必要です。具体的には、
既存借入と新規借入を分ける (過去の借入、未来に必要な借入)
新規事業の収支計画を明確にする
既存借入の返済原資の見通しを示す
資金繰り表を整理する
提供している担保(会社や個人不動産など)
現在価値、根抵当権設定額を調査する
保証内容の整理する(家族・親族)
管理部長や財務責任者と足並みを揃える
こうした準備なしに「保証は嫌です」と言っても通りません。
銀行は後継者を見ています。特に「この人に本当に経営を任せられるか」という点です。
新規事業の計画や資金繰りの精度、経営数字への理解が重要になります。
社内にも銀行を怖がる人がいる
銀行との交渉だけでなく、社内にも銀行を怖がる人がいます。元銀行出身の管理部長や長年融資交渉を担ってきた財務責任者は、「銀行を刺激したくない」「保証の話は受け入れするしかない」と考えがちです。
これは長年築いた信頼関係を壊したくないという感覚から来ています。だからこそ、交渉は乱暴に進めず、慎重に、しかし曖昧にせず進めることが経営判断として求められます。
継ぐことと背負うことは違う
会社を継ぐことは大切ですが、人生まで担保にする必要はありません。「親だから」「長男だから」「義理の父だから」という理由だけで人生を賭けるべきではないのです。
本当にその保証が必要なのか、その会社は再生できるのか、新しい事業に未来があるのかを見極めることが重要です。見極めずに承継すると、事業承継ではなく単なる債務承継になってしまいます。
連帯保証は覚悟ではなく設計で考える
銀行との信頼関係を守りつつ、自分の人生も守るために、連帯保証は感情ではなく設計で考えるべきです。
保証を引き継ぐのか
限定保証にするのか
新規分だけにするのか
再生か整理か売却か(M&A)
これらを数字で判断し、計画的に決めることが本当の承継です。
もし今、後継者としてこの問題に向き合っているなら、継ぐ前に背負う前に相談してください。人生を守るための承継を、一緒に考えていきましょう。


